天使の卵/村山由佳

 このかたの本読むのは初めて。ほんとうはもう少し待ったりしたもののほうがすきなのだけど、気に入ったのは恋愛対象をこの上なくうつくしいものとして「クロッキー帳に描けない」、というのはずるいくらい直球。
 それにしてもなんなんなだろう、この切なさは。主人公が大人びている分だけ、読んでる途中から悲劇を予感させて、それが筋が見えるというよりは必然性を持ってくるんだよな。しかも、その転換が良いことがあった直後、急降下していくのは読んでいる目が止まるくらい。