しつこい!?「物理的」の間違った使用法

 しょうこりもなく2回目のエントリ。本日は2つばかり

  • 業界紙にて、「××市は急激な都市化による人口増および老朽化による物理的な漏水により上水が不足しており・・・」とありました。および以降の部分で「老朽化による物理的な漏水」とは何なのでしょう?前段の人口増という社会的な面との対比をしたかったのでしょうが、老朽化によるパイプの腐食は化学的なものですし、施工不良や長年のメンテ不足による漏水発生は組織面や財政面での問題だと思います。
  • 某番組にて、耐震偽装のマンションに関するシンポジウムで、ある住民が「住宅ローンと改修・建替えのためのローンで2重のローンを負うことは物理的に受け入れられない」。これは完全に経済的な問題なのでは?それか、ローンが約2倍になって均衡が計れない、という計算上の問題ならば数学的。*1
  • なんか、思うに、まだまだ誤用法ありそうで、ますます気になってくるわけです*2。まだ類型化するには早いですが、
  1. 物理学的な現象を捉えて使っているつもりが、実は他の自然科学の範疇である場合
  2. なんだか良く分からないけど、人文・社会ではない分野の問題であることを対比しようとするときに、物理学が挙げられる傾向がある

といった可能性を感じておるところです。この項まだ続く(しつこい?)

*1:揚げ足を取っているわけではなく、「物理的」の用法にこだわった発言ですので悪しからず。「受け入れられない」ことはとてもとてもよく分かります。

*2:一応、学部では物理専攻でしたが、量子力学で木っ端微塵に挫折した輩であり、現職において98%役立っていないので、まあ、余興の範疇ですわ