おながわ秋刀魚収穫祭のステージ

BiSヲタと前日「夏の魔物」を見て一緒に車で移動。女川につくと生憎の雨で、会場であるグラウンドは水浸しだけど、特に中止になる様子もない。泥んこになるのは覚悟したんだけど、当日に東京から入ったヲタの発案で、同じ泥んこでもだいぶマシになるだろうと、しゃがみスペースとして椅子席の脇に敷いてあったブルーシートを舞台前にみんなで移動。ちょうど子供の遊び場みたいなスペースが作られました。当然のように裸足になってズボンのすそをまくっていき、研究員がプルーシートに立つと30−40代のおっさん含めた大人が、子供みたいな出で立ちになってた。地元の方からは、ヤクルトのプラスチック瓶にビーズを入れた鳴り物(一つ一つにメッセージが書いてあって、うるっとした)を差し入れいただいて、ますますテンションあがる。


また別のヲタがタオルを持っていなくて探したところ、白地に黒の魚の文様に「女川愛」の文字をあしらったマフラータオルを発見。primal.のサビで演者のフリコピで客席側の研究員が両手を挙げた状態で一斉に後ろを振り向く場面があるのですが、そのタオルを挙げたら面白いだろ、というのはどう考えてもこれ以上ない演出で、次々に同じタオルを買い求め、タオル売り場が突然の盛況を迎えることに。


始まりはプー・ルイがアカペラでPower to the peoplepeace for peopleのようなというフレーズの曲*1を歌いだして研究員が続いて、まだ足りないのか更にリピートして煽っていくうち、だんだんと地元の方も参加していただく流れに。


ケチャパートでは迷うことなくスライディングケチャ。ヘッドスライディングしてもツルツルによく滑って、しかも痛くない。勢い余った研究員のパンツが巻き込まれてずり落ちるハプニングもありながら、自己紹介のタイミングでも後ろからだけじゃなくて横から2人同時とかスライディング天国。ミッチェルの自己紹介の後は相撲が取られ、のぞしゃんのときはスライディングからのリフト、プーちゃんはスライディングした自分の後につまさんが「プー・ルイさ〜ん、ごめんなっさーい!」と叫んで客席後方まで走るとか、訳わからない!


I'm coming!!とgugigiでは泥んこになった研究員が、腕を挙げてアフリカの豊漁の儀式みたいにスキップして回るサークルモッシュ、サウザンドボルトのサビ前で抱き合う、BiSで中央直列を取り合う、IDOLでずるずる滑りながらモッシュ、とか平たく書くとちょっと違うけど異様なテンションになってた。


ハイライトは太陽のじゅもん。歌う前に女川のコミュニティラジオでリクエストされたときのエピソードが披露されて、ラジオを聴いていた時にふと聞いたときの印象がとても強く残って、曲名を教えてほしいという内容。歌詞でじゅもんじゅもんと続く曲、痛い痛いの飛んでけっていうけど、友達は津波で流されてしまって、そんな心象に沁みる曲というメール?手紙?がゆっふぃーから紹介されました。
普段は自分で作った5人のコールを入れたりするんだけど、一瞬迷いながらも無しに。名前を呼ぶコールも無しに。見上げると、メンバーの目に涙たたえていて、初期から少しアレンジ加えつつも単純な振り付けに温かみが増し、これまでにないくらい美しい。心なしか、雨が弱くなってる。
ずっと研究員もしくはおまいつ目線でライブで見てたから気付かなかったけど、アイドルもしくはポップ音楽は、年代や場所を越えて伝わるものあるんだな、他のグループさんと同様、そういうこと伝えるためにもやってるんだよなぁという事実に気づいて、とても感慨深くなる。


最後3曲というMCに「えー!!」とお約束で言いつつ、合計10数曲やったよね。気付けばBiSの代表曲のnerveが無いまま、ライブが終了していました。自分が知る限りでは、昨年初春のライブデビュー時のごく初期に、持ち曲の組み立てを試行錯誤してた時期くらいじゃないかな。自分が通算で言えば少なくとも200回はライブでnerveを聞いて踊ってMIX入れて、でも最近だと指差し時の圧縮で自分自身やステージ守ったりで辛く感じて、自身としてはけっこうな倦怠があったのも事実。でも、いざ終わってみるとnerve抜きでライブとして全然成立してることに気付く。nerveという曲がお初の人向けに強烈にアピールするのは当然そうだと思うけど、先のエピソードがあって今日の女川ではお初の人に「太陽のじゅもん」がその役目にあたったんだと考えています。わずか2年足らずで30曲を数える楽曲があり、来月には更にアルバムが加わるわけで、シーンに合わせた組立てはありえるはずだよね、と気づいたり。


ライブ中にメンバーの写真を撮りに前に来た少年を高く持ち上げたり、ケチャ部分でやはりその少年を持ち上げ、少年にスターダストを捧げる。女川に捧げるスターダストは最後に研究員が後ろを向いて捧げるのが決まりました。嬉しかったのは、最後の演目で「サンマDEサンバ」を披露する地元の中学生が真似してくれたこと。バカバカしいノリだけじゃなくて、覚えやすくインパクトあるんだなと感じた。「サンマDEサンバ」はトリを飾る予定だったのが、突然の雷により残念ながら中止に。金物扱っていれば鉄則な判断だけど、残念だよね。。。東京で披露する機会もあるとのことで、時間合わせて見てみたいな。


紛うことなく、現在の5人体制になってからの第三期で最高のライブでした。本当に泥だらけになって、例えはあれだけど、作戦後の兵士みたいに飯場ならぬ握手列に並ぶ研究員。いつも緻密に組み立てることはまったくしてなくて、一貫して研究員の個々のアイディアとノリでこれまであれこれとやってきたと思うけど、それが結実したと感じてました。参加することが出来て良かった、みなさまお疲れさまでした。その根っこで演じるBiSのメンバーさん、そして今回BiSを呼んでくれた蒲鉾本舗高政の若旦那(?)さん、そしてバカを受け入れた女川地元のみなさまには感謝しきれなくらい。本当にありがとうございます。



*1:宗像さんからツイートでジョン・レノンの曲と教えていただきました、ありがとうございます!